導入前に確認すること
開閉回数と電源の考え方
RemoteLOCKは1日10〜20回の開閉を想定した製品です。これを超える扉では外部電源化を、さらに多い扉では電気錠・電磁錠をRemoteLOCKで制御する構成をご検討ください。想定回数を10〜20回としている理由、外部電源化を選ぶ基準、電気錠・電磁錠を選ぶ基準の3つをまとめています。
RemoteLOCKが想定している開閉回数
RemoteLOCKは、本体のモーターでサムターン(つまみ)を回し、デッドボルト(かんぬき)を出し入れして施解錠します。機械的に動く部品を持つ電子機器です。メーカー各社は数万回の開閉試験を行っていますが、日常の使用として想定しているのは1日10〜20回です。電池の容量も、この回数を前提に見積もっています。
想定回数を超える扉で起きること
開閉回数が想定を超えると、2つのことが同時に進みます。電池の消耗が早くなり、交換の間隔が短くなります。そしてモーターと錠前の摩耗が早くなり、本体の寿命が短くなります。回数に比例して緩やかに短くなるのではなく、ある時点から急に短くなる点にご注意ください。
| 1日あたりの開閉回数 | おすすめする構成 |
| 10〜20回程度 | RemoteLOCK(電池のまま) |
| 20回を超える | RemoteLOCKの外部電源化 |
| 50回を超える | 電気錠・電磁錠とE06AまたはTOBIRA |
客室、会議室、倉庫、事務所の個室などは10〜20回に収まることがほとんどです。集合玄関、エントランス、共用部のシャワー室やトイレ、ジムの入口のように不特定多数が出入りする扉は、20回を超えることを前提にご検討ください。
1日の施解錠回数が300回を超える宿泊施設の入口玄関では、RemoteLOCK 9jを外部電源で運用したうえで、本体を消耗品と考えて12〜16か月に1度交換されています。同じ扉を電池で運用した場合、電池交換は1か月に1度以下の間隔になります。
想定回数を日常的に超える扉にRemoteLOCKを設置される場合は、上記ほどの短い間隔ではないとしても、ある程度は消耗品と考えた運用が必要になります。管理者様と施主様の双方でご了解いただいたうえでの導入をお願いしています。
電池交換の目安
| 機種 | 電池交換の目安(1日10回程度の開閉) |
| 500i・700i | 6〜10か月 |
| 9j | 2〜3か月 |
この目安は利用状況で大きく変わります。開閉回数が多い扉では、これより短くなるとお考えください。Wi-Fi接続が不安定な環境では、本体が電波を探し続けるため電池の消耗が早くなります。クラウド管理画面に登録せずローカルで運用された場合も同様です。
クラウド管理画面で電池残量を確認できます。残量が30%を下回ると、管理画面と通知先メールにお知らせが届きます。通知が届いた後に解錠できる回数は数回程度とお考えいただき、速やかに交換してください。通知先は清掃スタッフの方など、現地で対応できる方に設定することもできます。
外部電源化の基準
外部電源化とは、扉の近くに引いた電源から本体に給電し、電池に頼らない構成にすることです。RemoteLOCK 8j・9j・9j-Qが対象です。
9j-Qは外部電源化が必須です
RemoteLOCK 9j-Qは、製品の特性上、外部電源化が前提です。電池だけでの運用はできません。QRコードでの解錠が必要な場合は9j-Qになりますので、設計・施工の段階から電源の確保を計画に入れていただく必要があります。暗証番号のみの運用であれば、電池で動く9jで足ります。
9j-Q以外の機種で外部電源化を選ぶ場面
- 1日の開閉回数が20回を超え、電池交換の手間が現実的でない扉
- 電池切れで解錠できなくなる事態を避けたい扉
外部電源化に必要なもの
- 扉の近くのAC100V電源。近くにない場合は引き込み工事が必要です
- 外部電源セット(枠内配線セット・扉内配線セット)
- 通電金具。開く扉と動かない枠のあいだで電気を渡すための金具です
- 配線ルート。新築や扉の新設であれば扉の内部を通せます。既設の扉ではモール配線での施工が中心になります
新築の場合は、通電金具を扉と枠に埋め込める可能性があります。扉の材質によりますので、建具店やサッシ店、ドアメーカーとご相談ください。ガラスドアのように扉の内部を通せない扉では、配線が見える施工になります。本体を交換する際に、配線工事のやり直しは必要ありません。
外部電源化で変わらないこと
外部電源化で解消するのは、電池交換の手間と、電池切れによる解錠不能です。モーターと錠前の摩耗は変わりません。開閉回数が多い扉では、外部電源化しても本体は消耗品としての扱いになります。
外部電源化で解消するのは、電池交換の手間と、電池切れによる解錠不能です。モーターと錠前の摩耗は変わりません。開閉回数が多い扉では、外部電源化しても本体は消耗品としての扱いになります。
停電したときの動作
電池で動くRemoteLOCKは停電の影響を受けません。本体に同期済みの暗証番号であれば、そのまま解錠できます。外部電源で動く9j-Qは、停電時に角形電池での給電に切り替えられます。ただし常時通電している機種ですので、給電できる時間は数時間程度とお考えください。
電気錠・電磁錠を選ぶ基準
RemoteLOCK本体のような電子錠は電池式です。電気錠と電磁錠は電源式で、錠前そのものに配線が通っており、電力で施解錠します。オートロックの扉に使われているものと同じ仕組みです。
すでに電気錠がついている扉
すでに電気錠が設置されている扉では、E06AまたはTOBIRAでの制御になります。既設の電気錠の機能を使わないのであれば、錠前を入れ替えて通常のRemoteLOCKを設置する方法もあります。既設の電気錠・電磁錠制御盤との連携可否は、制御盤の型番と配線の状況によって変わります。図面または現物の写真をお送りください。
電気錠・電磁錠にする利点
- 錠前の耐用年数が長くなります。日本ロック工業会は、錠の耐用年数の目安を一般錠10年・電気錠7年としています(2012年2月)。錠の保守点検制度(日本ロックセキュリティ協同組合)
- 框幅や扉厚の制約を受けにくくなります。リーダーは配線がつながっていれば扉のハンドル付近でなくても設置できますので、RemoteLOCK 9jのような設置要件がありません
- 建付けの悪い扉でも、電磁錠であれば扉の傾きやすき間を吸収できる場合があります
電気錠・電磁錠に必要なもの
- 制御盤(コントローラーユニット)。錠前を動かす電力と制御のために必須です
- 電源と配線工事
- リーダーを設置する部分の加工
制御盤は、リーダーから配線でつながる距離であれば、管理室など離れた場所に設置できます。TOBIRAの場合、制御盤のボックスには本体・リレー基板・電源ユニットが収まり、目安のサイズは縦300mm×横250mm×深さ120mm程度です。構成によって前後します。
E06AとTOBIRAの使い分け
クラウド管理画面から見た機能は、9jとE06A、9j-QとE06A(QR)で同じです。E06AとTOBIRAで最も大きく違うのは、本体に保存できる暗証番号の数です。E06AはRemoteLOCK 8j・9jと同じ上限で、TOBIRAは最大10,000名分まで登録できます。利用者の人数が多い施設や、先の予約分まで暗証番号をまとめて発行する運用では上限に達することがありますので、その場合はTOBIRAをご検討ください。
| TOBIRAが必要になる要件 | 理由 |
| 利用者の人数が多い | 保存できる暗証番号の数がE06Aより多く、最大10,000名分まで登録できます |
| 自動ドアやエレベーターの制御 | E06Aは対応していません |
| 火災報知設備と連動したパニックオープン | E06Aは対応していません |
| 管理者による遠隔解錠 | E06AはWi-Fiでの定期通信のため対応していません |
| 退室を含む入退室履歴の取得 | E06Aは対応していません |
| 雨や雪が直接あたる完全屋外への設置 | E06Aの防水防塵はIP54程度です |
| ICカード(FeliCa)の利用 | E06Aはカードに対応していません |
TOBIRAはネットワーク設定を施工パートナーが行いますので、お客様側での施工はできません。
火災報知設備との連動と非常開放
非常開放装置は、電気錠の制御盤に接続して動作します。TOBIRAからの施解錠は、電気錠制御盤の外部タイマー制御の入力を経由して実行されます。火災報知器との連動と非常開放装置との連動は、電気錠制御盤側が担う機能です。TOBIRA本体がこれらの信号を直接受け取る構成ではありません。
避難経路にあたる扉の施解錠は消防法と建築基準法に関わります。最終的な仕様は所轄消防署および設計者・施工者との協議が必要ですので、計画の早い段階でご相談ください。
扉ごとの選び方
| 扉の状況 | 構成 |
| 1日10〜20回程度の開閉。客室、会議室、倉庫など | RemoteLOCK(電池のまま) |
| QRコードでの解錠が必要 | RemoteLOCK 9j-Q(外部電源化が必須) |
| 1日20回を超えるが、初期費用を抑えたい | RemoteLOCKの外部電源化。本体は消耗品としての運用 |
| 1日50回を超える。集合玄関、エントランス、共用部 | 電気錠・電磁錠とE06AまたはTOBIRA |
| 利用者が多い、自動ドア、エレベーター、遠隔解錠、退室履歴、パニックオープン、ICカード | TOBIRA |
1つのRemoteLOCKで制御できる錠前は1つです。1回の解錠操作で複数の錠前を同時に解錠する機能はありません。二重扉の場合、RemoteLOCKで制御しない側の錠前は解錠したままの状態になります。
お見積りとご相談
費用の目安はRemoteLOCK・TOBIRAの価格とお見積りをご覧ください。
取付可否の見立てとお見積りは、フォームから承ります。文字情報だけでは「できる可能性がある」までしかお答えできず、正式なお見積りをお出しできません。
開閉回数の多い扉では、想定される1日あたりの施解錠回数と、同時に何名の方が利用されるかを、ご利用用途とあわせてお知らせください。ご案内する構成が変わります。